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寅壱4441 Story

4441

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西の4441。

寅壱の中で認識されるイメージはこんなところだ。
4441とは寅壱のプロダクトの中でも、バックサテンの綿100%製品のコードとして知られる。鳶職、主に関東の鳶職に支持の厚かった「2530」はいわゆるポリエステル素材であり、カラーバリエーションの多さと、独特のシルエットが大いに受けていた(寅壱、運命の数字「2530」)。
一方、関東の2530を中心とした化学繊維の作業着に対して、関西地区では綿素材の作業着が主役となっていた。


当時、寅壱が主力商品として開発をしたのは通称「ブッシュパンツ」と呼ばれるものであり、現在も50年以上の長きにわたりロングランを続けている商品だ。ブッシュパンツとは、ワークパンツの一種で、ブッシュ(やぶ、茂み)やジャングル等に入っていっても引っかかりにくいようにポケットが横ではなく前面と後ろに付いていて、シルエットがタイトなものが多い。アメリカでは70年代から流通していた。ポケットはフラットポケットが多く、生地は元々がワークパンツ系なので厚手のコットン等の丈夫なもので作る。それを日本向けにアレンジしたのが寅壱のブッシュパンツだ。

利用が想定されたのは主に火を使う現場での職人であり、大阪地区を中心に瀬戸内海へと広がるプラント設備での使用多かったことが遠因とされている。また同時に展開されたのは「アーミーベスト」と呼ばれる、これもロングランの作業着ベストだ。

関西でこの4441シリーズが売れたことにより、関東でも徐々に流行り出し、本格的作業着として「定番綿製品カーゴパンツ」としての地位を得た。これもおよそ50年前と言える。

寅壱に在職する70歳を超える社員に聞いた。4441の製品は、他の寅壱の作業着に比べてシルエットが比較的カジュアルであり、当時はジーンズブームで、日本人にとってはアメリカのユーズドジーンズが彼らの知る「ジーンズ」だった。ジーンズとは違うが綿独特の厚みと、ユーズドジーンズのような柔らかい風合いが評価され、市場では作業着使用と同時にカジュアルショップでの販売も多くなっていったようだ。いわば現在、ニッカズボンがカジュアルとして認知を得ようとしている状況がこの頃にもあったのだ。

そして当時画期的なこととしては、作業着のカジュアルショップでの販売という現象が、業界に違う意味でのインパクトを引き起こした。当時は、日本は高度成長期。作業着需要が伸びるに伸びていた。そうした時代背景とともに、4441ブッシュパンツを取り扱っていた個人経営のカジュアルショップが作業着専門店へとと業態を変えることに一役を担ったいったようだ。

プロダクトとしてロングランのヒット作となりつつ、カジュアルとしても評価され、少数ではあるが当時の業態にも変化をもたらした「4441ブッシュパンツ」。

このジャパーニズ・カーゴパンツとも言えるこのプロダクトが再評価される日も近そうだ。