1. HOME
  2. Column
  3. What is “TOBI 鳶”.
Column

What is “TOBI 鳶”.

Column

建設現場の花形と呼ばれる「鳶職人」。

ルーツは寺社建設が始まった飛鳥時代と呼ばれているが、その文化が花を開いたのは江戸時代と言える。

鳶口という道具を片手に、足場から足場へ「跳ぶ」姿から鳶職人と呼ばれ始め、建設現場だけでなく、火消しの現場でも活躍をしたところから人々の注目を集めだした。

そして、現代。
高度成長期にビルの建設現場が多く立ち並び、江戸時代の技法をそのまま活かしたまま建設現場はラッシュとなる。その中で鳶職人は、技術、技法、職域の細分化など、独特な進化を遂げだす。

2020年東京オリンピックを迎えようとする今に至れば、東京では高層マンションや、オリンピックに向けての建設現場など建設ラッシュで、建設現場を目にする機会が無い日は無い。

では、その現場においてなぜ彼らは花形なのか?

鳶に始まり、鳶に終わる

「鳶に始まり、鳶に終わる」という言葉がある。考えてもみて欲しい。まず建設現場に必要なのは「足場」だ。何も無い土地に何かを組み上げるとき、作業するスペースを確保しなければならない。

いわば、この足場を起点とし建設現場が始まる。この足場を迅速に組み上げる職人を「足場鳶」と呼び、中でも一般的な家屋などの足場を組む職人を「町鳶」と呼ぶ。

更には、現場に一番で一番最初に行う作業は足場作りだが、当然のことながら現場が終了したら足場は不要となり、その足場を回収、撤収する。その仕事も鳶職人が行うのだ。
ゆえに「鳶に始まり、鳶に終わる」と言われるのだ。

建築現場での高所作業従事者

一般的に鳶職人は「建築現場での高所作業従事者」というイメージがある。このイメージを一手に担っているのがビルなどの作業現場での鉄骨(梁)を組み上げる職人である「鉄骨鳶」かと思われる。

彼らは、いわば場所によっては20m以上ある、そもそも足場の無いサラな場所から「現場そのもの」をクリエイトしていくところから始める。

だが、考えてもみて欲しい。
何も無いところから始めるのだ。しかも命の危険がある高所で。想像するだけでもゾッとする。まさに命をかけてると言っても過言では無い。

また、これらビルの建設現場には「重量鳶」「鍛治鳶」「橋脚鳶」など様々な種類の鳶職人が存在し、技能に応じて職域が分かれている。

なぜ鳶装束は生まれたのか?

鳶職人が着用をする作業着を「鳶装束」と呼ぶ。
この鳶装束はどのようにして生まれたのか?

諸説あるが、よく言われているのは汗が足にまとわりつかないよう、太めのシルエットを採用したのが始まりと言われている。

それこそ、昔は丸太で足場を組んでおり、その足場を組む技法は「跳び付き」と呼ばれた。そのルーツは江戸時代に遡り、

仮設足場の一番下に水平に設けられた部材、もしくは仮設の丸太。漢字では「跳び付き」と表記される。
人間が足場の下を通れるように、一番下の水平部材は、人の背丈より少し高い位置に設置したため、飛び上がらないと届かないということでこの名が付いた。
なお、最近では丸太足場は一部の特殊な工事を除き殆ど使われなくなっており、主流はくさび足場や枠足場に移っている。


https://tobi-jin.jp/word-list/word/5028.html

というところに由来をするようだ。動き自体は、まさにアスリートライクなところもあり、汗を大量に書くであろうことは想像に難くない。

足場を組む時の「快適な作業着が必要」という発想からダボっとしたシルエットが生まれ、そこに命をかける職人のプライドや自己主張から鳶装束が様々な形で生まれていった。

他の説では、極度にダボッとさせたワタリや裾が現場における「触角」的な役割をし、足元の障害物や突起物を察知するのに大いに役に立ち、独特のシルエットとなった,,,という説もある。

鳶の今後

2020年までは新規建築現場のラッシュなのは間違いはない。
では、2020年以降はどうなるのか?
おそらく、高度成長期に建設されたビルや家屋の多くが「改修」の時期に入る。今後はこうしたニーズから「改修鳶」のニーズは高くなるのかもしれない。

また、建設現場も近代化が進み安全面を重視する流れも当然出てくるであろう。鳶の装束も時代に合わせて変化を求められている。

現場で働くのは「職人」という人間であり、現場での彼らの創意工夫の下に道具も衣装も進化していくのであろう。

時代とともに変わりゆく鳶の職人文化。
もしかしたら馴染みがない「鳶の現場」をこうしたバックグラウンドとそこから生まれたカルチャーとしての視点で見てみるのは面白いのではないだろうか。